2009年1月29日木曜日

arduino 用シリアルアダプタ


arduinoの場合には作品制作にPCは必須ではない、というよりPCからコントロールする作品ならば、プログラムが一種類ですむgainerのほうがより簡単に扱えるし、PGAや静電容量センサーが使えて便利なことがおおい。arduinoの本領はgainerでは動作しないようなデバイスを動かす場合や、マイコン単体で動作する作品をつくる場合だろう。

そのため、gainerの時と違ってUSBシリアルをすべてのボードに同梱する必要はなく、プログラムの書き込みやデバッグ時のためだけに使えるようにすればよい。
そこで、USBシリアルアダプタを作品のブレッドボードに差し込みやすい形で作ることにした。まず最初に試作してみたのが、L型ヘッダをつかい、縦に基板を差し込む方法である。Decemiela についているリセット端子と同様の回路(抵抗とコンデンサ)をつけることで、自動リセットにも対応している。
上からみた配線図はこのよ
うになる。電源ラインの取り回しにモジュールの6ピンのところを通してあるが、ここはソケットのピンを抜いておいて、通電しないようにしてある。もちろん、ジャンパとして表面をまわしてもよいだろう。0.1uFのコンデンサと10KΩの抵抗で通信用のラインを横切っているので、裏面にはジャンパが飛ばないようになっている。

この方法ならブ
レッドボードに部品が少々のっていても大丈夫であるとおもったが思ったよりもL型コネクタに厚みがありほとんど部品がない状態でなければ刺せない。
よってこのままでは使えないので、ケーブルをつかってのばすことを考えた。よくやる手ではケーブルの先にピンヘッダをハンダ付けするのだが、今日はイマイチうまくいかなかったので新しい方法を試してみた。





もともと千石電商で売られているヘッダピンとブレッドボードを結ぶジャンパケーブルを分解する。これはエクステン
ションのようになっていて、1ピンのソケットと、1ピンのピンヘッダがそれぞれ圧着されている、簡単にいえばジャンパワイヤーの延長コード状のものだ。(図)ピンヘッダがついた部品をブレッドボードにさすのに利用するワイヤーだが、これを使ってシリアルのヘッダを延長することにした。

もちろん、そのまま5本のケーブルをさすのでもかまわないのだが、ここは専用ケーブルとするためにも、ヘッダを分解し、1x8列の枠を使って再構成することとした。一度ささっている圧着ヘッダを抜くためには、細いマイナスドライバを用いるのがいい。ソケットのプラスチックのひっかかりがある部分をすこしこじって、ひっぱればケーブルを抜くことが出来る。両側のケーブルを抜くと、このように金具だけになったケーブルが出来上がる。これを5本用意して8列ソケットの両側から、3本、2本とさす。延長なのでクロスする部分がないようにフラットに両側のソケットを実装すれば完成である。

これを使うことで1列の隙間があればブレッドボード上のarduinoに書き込みを行うことが出来る。
もちろん、延長ケーブルの配線でクロスさせるなら、もっと簡単にラインを引っ張りだせた、というのは言うまでもないが、直接させることを目標にしたというのが今回の工作の主眼なのでそこは問わないことにしよう。


なんにせよ、これで格安arduino環境が整い、ブレッドボード上に低コストで作品を作ることが出来るようになったわけだ。





2009年1月28日水曜日

ブレッドボードで arduino/88

one chip Arduino clone というのを Make blogなどで発見した。制作記事を読むとATMega88 をつかって 内部発振で動くらしい。ということで、何度か試したもののあまり巧くいってないarduino clone作りであるがこれはさっそく真似せねば!と思い、ブレッドボード上に実装してみた。これは速報のonechip arduinoの前に行った実験だが、報告の前後が逆になっている。
 
最近のArduinoは通常 Atmega168 を 16MHzで駆動しているが、one chip arduino は日本の誇る秋月電子で格安に販売されている Atmega 88 を使い、内部発振で駆動しているため発振子も必要なくなっている。このチップに最低限の回路としてステータス表示用のLEDと動作きりかえのためのリセットスイッチを実装したのがone chip arduino だ。実装部品は思ったよりも少なく、gainerと違い、シリアルポートもオプションなのでたしかにワンチップの上に載せられるくらいの部品しか存在しない。

これをベースにワンチップ化の前に、さらにシンプルになるように配慮しながらブレッドボードに組み立ててみることとした。

そのまえに、まずAVRをarduinoとして動作させるのに必要なブートローダをAtmega88に書き込んだ。
仕事でAVRを使っているグループがいるのもあり、手元にたまたま STK500が転がっていたので、kosakaさんのページ
を参考に STK500をarduinoに登録した。
さすが純正品ということで当たり前だが、なんのトラブルもなく書き込みを行えた。ブートローダは各チップに一度だけ書けばいいので、チップを買ってきたらまとめて作っておくのがよいだろう。


秋月電子で一番安いブレッドボードの上でこれを組み立てることとして、
配線を行った。この ブレッドボードでの最大の問題は、電源ラインが左右に分離しているところであり、このため通常はやらないパーツの上をとびこえる配線が1カ所だけ入っている。


なお、もう1つ大きいブレッドボードの場合には、電源ラインが2本づつ入っているので、左右をちゃんとつなぎ込めば、無様な真似をしなくても作ることが出来る。余白に回路を作ることを考えると、実はこちらのほうがよいのかもしれない。

実際に利用するスケッチを書き込むためには、USBシリアルの変換アダプタが必要だ。秋月のUSBシリアル変換モジュールにコンデンサと抵抗でリセット回路を組み合わせた書き込み用ボードを作成した。L字型のコネクタを使うことで、直接ブレッドボードにさせるのを狙ったが、微妙にスペースが足りずに干渉しやすいことが判ったので、延長ケーブルでつないでいる。
こちらに関してはのちほど別の記事でお伝えしようとおもう。

arduinoも思ったよりも簡単に作ることが出来たので、これでパソコンとの連携が必要ない作品を作る場合はarduinoを使ってもいいかもしれないと思えてきた。パソコンを使う場合で、機能が収まる場合には、arduinoよりもgainerのほうが開発コストが低いと思われるので、gainerの意味がなくなったという訳ではない。とくにgainerの派生物としてAVRと組み合わせた ginger/peper は秀逸で、USBをソフトウェア実装してあるため、USB接続をする先まで考えても、コストが安いことと、実装面積が小さくていいことの2つから便利に使えそうである。


実は先にAtmega168 をつかった Diecimila互換機もブレッドボード上に実装してみた。こちらはマルツで買ったAtmega168と秋月で買った16MHz のセラロック(セラミック発振子)を配線してあるだけでほかは大きな違いはない。高速処理が必要ならばこちらもやってみるといいだろう。ただし、本気で高速処理を考えるならば、普通にAVRGCCをつかってC言語でプログラムをかいたほうがいいのは言うまでももない。

2009年1月26日月曜日

速報 one chip arduinoを作ってみた

ちょっと時間ができたので one chip arduinoを真似してチップ上に無理矢理実装というのをやってみた。

コンデンサの数を減らし、書き込みはヘッダピンがなくてもブレッドボードでやればいいじゃないかということで、極力パーツを省略することで、さらにパーツの少ないすっきりとしたものが出来上がった。この先は表面実装用のパーツとシール基板を使えば、もっとすっきりしたものが出来上がるだろう。

ビフォーアフターは以下のとおり。














書き込みはこのように、USBシリアルアダプタを使ってブレッドボード上で行うこととした。このシリアルアダプタの話はまた今度しようとおもう。シリアルアダプタの中にリセット用の回路を組んであるので、リセットスイッチを押さなくても書き込みは可能である。

LEGO Duplo をケースに

携帯モノの工作をしたときには、そのケースに苦労することが多い。今回は本業で作っているzigbeeの携帯用ノードであるが、ちょうどいいケースを探していたときに 赤ちゃんむけのLego であるdupro シリーズがちょうどいいんでは?と思い当たり、試してみた。残念ながらレゴは単品売りが行われていないので、一番安くて普通のブロックが沢山入ってそうなものということで、緑のバケツというのを購入した。この中には通常サイズのブロックのほかに動物や人
形、車といったパーツが入っていたが、こちらは今回の用途には役に立たないので、最近激務な同僚の先生のお子さんに差し上げることにして、通常の8つ突起のあるブロックをそのまま削り込むことにした。
結果はこのように、あつらえたように申し分のないサイズとなった。今回の用途では大満足だ。

レゴの内側には噛み合わせのための形状がモールドされている。もちろん、中にモノを詰め込むためにはこのモールドは邪魔になるので切り刻むしかない。カッターとペンチと電動リュータを駆使して中身をくりぬいたところがこちら。

ブロックの内側の構造にカッターで切れ目をいれ、出来る限りペンチでもぎ取る。残った部分はリュータを使って削りこんでいって完成だ。レゴの素材はやわらかく、熱に強いので、ゆっくりカッターやリュータをつかえば思ったよりは簡単に削り込めるし、割れる心配もほとんどない。Oリングをつけるための金具はピンバイスであけた穴を拡張して利用している。こちらの金具はタカチのもので袋には70円と書いてあった。

あとは基盤の組み付けの問題は残っているが、現状では電池ケースを接着剤ではりつけ、基盤は電池に対して両面テープでとりつけた。今後はうすい普通サイズのレゴのパーツをつかい蓋をするなどといった案が考えられるだろう。

レゴを使ったケースは手間とコストはかかるものの見栄えとしても悪くないし、持ち歩きもの、インテリアものにはよいのではないだろうか。次はユニバーサル基板をいれてみようかとおもう。